久々の読書(朝井リョウ『何者』『何様』)
かつて私は文学少女だったかもしれない。
就学前には日本昔話を読破し、小学生の頃にはこまったさん、海賊ポケット、世界文学の森、夢水清志郎、パスワードシリーズ、デルトラ・クエスト、ダレン・シャンという道をたどった。
中学生になってからはライトノベル、あさのあつこ、村山由佳を読んだあと太宰治に触れ、そこからは夏目漱石や谷崎潤一郎など、いわゆる文豪の本を読んだ。
大学ではほとんど読まなくなり、一度読んだ文豪の小説を読み返すくらいになった。
つまり、現代の作家の小説を読まなくなって久しいのである。
さて、夫の友人の薦めで、朝井リョウ『何者』と『何様』を読んだ。
どちらも現代の若者の描写が分かりやすく、ほとんど同年代の私にはすんなりと入ってきた。
私が就活生だった頃、『何者』が友人の間で少し話題になっていたのもあり、当時を思い出して懐かしい気持ちにもなった。
話は面白かったし、映画になるのも頷けた。
私は就活生になりきれないタイプの人間だった。
『何者』の主人公のように就活生然とした学生を冷ややかに見ていたとか、自分は就活のシステムに飲み込まれたくないとか、そういうことではない。
留学やボランティアというカードを持っていなかったこと、自分を良く見せることが気恥ずかしかったこと、何かを売るということに最後まで興味が持てなかったのが原因であると思っている。
久々の読書でそんなことを思い出しながら、読書は良いものだと再認識した。
なにより、今の私とは相性がいい。
簡単には身動きが取れない姿勢になったり、大きな音を立てられなかったり、中断を強いられたりする。
そうした非常に限られた時間の中で、少しずつ楽しことができる。
しかし、それなりに頭を使うのも事実だ。
そこで、文章が平易な同時代の作家の作品を読もうと思っている。
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ここまで書いておいて、8日がたった。
この間に、山本文緒『プラナリア』を読み終え、村山由佳『海を抱くBAD KIDS』を再び斜め読みし、友人に薦められた司馬遼太郎『坂の上の雲』に手を付けている。
感想を書いていこうと思ったが、書く時間が全く追いつかないようだ。
今も、寝ていた子が起きた。
顔を真っ赤にしながら、のびたり縮んだりしている。
とりあえず、本を読んだ、ということだけ書いて終わりにしよう。